暮らしにも気持ちにもゆとりを生む『家事楽ハウス』
確かな素材と職人の技に一目で魅了された木の住まい
家づくりでこだわった点は?の問いに、「尾堂産業を選んだ時点で、すでにこだわり満載です」と笑うTさん夫妻。実は本誌『家づくりの本』がきっかけで同社の見学会へ出向き、その雰囲気に圧倒されたという。以前から、「建てるなら木の家」と考えていたお二人。それでも自身で体感した『木楽な家』は、ご主人曰く「写真で見るよりスゴい」とのこと。木の質感や香り、温もりと心地よさ。「他のハウスメーカーはもう考えられないほど、魅了されちゃいました」。
特に気に入ったのは、昔ながらの込栓や造作の浴室など、住空間の端々に見てとれる職人の仕事。『音響熟成木材』をはじめ、『幻の漆喰』や『竹炭入りの畳』と、使われている素材の確かさも暮らしてみて改めて納得。「初めて我が家で眠った翌朝、こんなにも違うものかと驚きました」とは奥様。なかでも、感激したという浮づくりの床板は寒がりの奥様が冬場に裸足で歩き回れるほど。ふと足元を見ると、当然のように家族全員が裸足。家では靴下いらずらしい。
共働き夫婦をサポートする家事楽のポイントとは?
T邸のプランは、同社が提案する『家事楽ハウス』の第3弾。奥様もフルタイムで働いているので、家事動線についてはシビアに考えたそう。注目は、洗濯時の動線。夜に洗濯して干す機会も多く、「とにかく流れをスムーズにしたくて」と実現したのが、洗濯機のある脱衣室から家事室、納戸をストレートでつなぐ動線だ。家事室は室内干しができるようにポールを設置し、乾いたらその場で畳み、衣類は隣りの納戸に収納する。洗濯→干す→畳む→しまうがコンパクトにできるので、時間にも気持ちにもゆとりが生まれている。
そしてもうひとつが片付け。どうしても増え続けるモノを収めるため、収納にも注力。同社では、打ち合わせ時に家族の持ち物をすべて写真に撮り、最低でもそれだけは入る収納をプランに盛り込む。T邸では独立した納戸の他、各部屋のクローゼットや押入、小屋裏、外収納までたっぷりと確保。部屋にモノが顔を出さず、スッキリとした空間を保てる。
心も身体も癒されるようなくつろぎの空間づくり
家族のお気に入りの場所はリビングダイニング。間仕切りも少なく、小屋裏への吹き抜けで開放感もある。リビングを東向きにしたのは、窓から抜けた景色が欲しかったから。変形土地をうまく生かし、道路との間にウッドデッキや庭を挟むことで、外からの視線もほとんど気にならない。板塀も設けてあるので、日中にカーテンを閉めなくていいから、自然の風も光もムダにすることはない。
小上がりになったウッドデッキとの段差はベンチとして活用。そこに腰掛けた子どもたちが、ダイニングテーブルの長椅子を机にして遊ぶ風景がなんだか微笑ましい。「新居に移ってからは、時間がゆったり流れているような感じ。テレビもあまり使わなくなって、家でのんびり過ごすことが多くなりました」と奥様が言えば、「床の感触が心地よくて、板間なのについゴロリとしてしまうんですよ」と、ご主人が頷きながら返す。家事楽ハウスは、毎日がんばる家族を癒す住まいでもあるのだ。