陽の光をかしこく取り込んでムリなく快適に暮らす
自然素材を用いて心地いい環境を整える
「自宅開放で行っているベビーマッサージに親子で参加したところ、木をたっぷり使った空間がとても居心地よくて。ビルダーを尋ねると、『尾堂産業』との答えが返ってきました」。偶然の出会いから、木の家の魅力を体感したSさん夫婦。同社で相談をするうちに、素材だけでなく、太陽や風といった自然エネルギーを活用しながら、豊かな時間を紡いでいく家づくりの姿勢にも心を動かされた。「それに、親身な対応にも」と奥様が言葉を添える。
S邸は、見た目にはコンパクトな平屋造り。しかしリビングに入るとその印象は一変してしまう。庭に面した全開口サッシと和室へのつながり、吹き抜けの天井が視線を遠くへ誘い、伸びやかな広がりを感じさせるのだ。浮づくりの床板をはじめとする天然木の現しが、漆喰壁と相まってやわらかな雰囲気を創り出す。また、そうした素材は室内の空気も整えてくれる。森林浴のような清々しさの中で、日々を過ごせる点も注目したいところ。
行き止まりのない間取りで家事時短の『家事楽』に
家事の時短をかなえる『家事楽』の間取りを提案している同社。S邸でも、キッチンから水回りに続く動線上に大容量のウォークスルークローゼットを配置することで、洗濯の手間(特に畳むと収納)をグッと軽減させている。「子供部屋を通れば、くるりと回れる動線も便利。子供たちも楽しそうに走り回っています」。部屋数を必要最低限に抑えた分、ご夫婦のリクエストだったテラスや庭といった遊べるスペースと収納に還元した。
大きな吹き抜けを持ち、ワンルームのようにつながるレイアウトで気になるのは温熱環境。しかし、S邸は家のどこに居ても温度差を感じない。理由は、太陽熱を利用して室内空調を行う『びおソーラー』にある。さらに、季節に応じて床下と小屋裏に設置したエアコンを使い分け、快適さをプラス。「この冬は家を出てから、外気温の寒さに慌てて上着を取りに戻ることが何度かありました」とご主人。何気ない日常のひとコマから、その心地よさが想像できる。